自分の事業をはじめた折に、まずしなくてはいけないこと、その一つに「ネットワーク構築」があります。
一国一城の主であるあなたは、日々名刺を配り歩くと思います。
そんな中で出くわす美味しい話。渡りに船かもしれません。
警戒しながらも話を聞くとふむふむ、確かに理にかなっているように聞こえる。
でもどうなんだろう?
乗るべきか乗らないべきか?
ハムレットの主人公よろしくあなたは葛藤することになるはずです。
今回は、そんな敵か味方か分からない話について、解説を書こうと思います。
1、なんかいい人生が送れそう!?「MLM」
MLM、マルチレベルマーケティング、つまりネットワークビジネスです。
アムウェイ、ニュースキンといった有名な業者を始め、聞いたことのない企業まで、扱う商材や業態は様々。
中でもアムウェイは良くも悪くも地名度が高く、人によって意見が分かれるのでどう判断したらいいのか悩むところです。
勧誘してくれた方も「いい人」ではあるし、品質も安定している。ビジネスモデルも穴といったものは見当たらない。
もしかしてMLMに対して先入観があるのかもしれない。やるべきなのでは…?と思い始めます。
どうなんだろうMLM、お前は俺の敵なのか?味方なのか!?
MLMが売れるか売れないかは資質による
結論をいうと、MLMが稼げる/稼げないは「腕次第」です。
MLMだろうが不動産だろうが、売り方をわかっている人は稼げる。
基本はどの商材であっても同じことが言えます。
逆にいうと売り方をわかっていなければ稼げない。本当にそれだけの話です。
つまり「誰しもが稼げるものではない」と言い換えることができます。
営業の本質は、テクニック+商材の理解です。そこに商材への愛が乗るならその重みはさらに増すでしょう。
それらを網羅できるのであればやってもいいのではないでしょうか。営業が強い人は商材が何であれガンガン売ります。
知人に1着100万円の毛皮のコートのMLMがあって、あれこれ試行錯誤した結果、トップセールスになった人がいますが、
彼に言わせると「本気でやればなんだって売れる」だそうです。
それが売りたいなら売ればいい
営業活動が好きで好きでしょうがない人というのがいます。
自社の商材じゃ物足りないので独立した。というタイプであればMLMはやってみていいかもしれません。
商材はたくさんありますし、還元も用意されている。楽しそうです。
ただ、売りたいものが他にある場合、やりたいサービスが他にある場合、時間はそっちに割くべきかと思います。別の商品売っている暇はありません。自分のビジネスにつながるために時間を使いましょう。
2、リファラル営業を最適化!?「BNI」
各地域ごとにあるコミュニティに所属し、案件を会員同士で振りあうコミュニティ。
振りあう案件数について月ごとにノルマがあります。
厳格なルールが規定されていて主なものとして以下があります。
・週1回朝7時からの定例会参加(4回欠席で除籍される|代理人可能)
・毎週1回案件を会員に提供するかビジター(見学希望者)を定例会に連れてくる。
・入会費10,000円、年会費120,000万円、定例会参加2,000円
・同じコミュニティに同業者は存在できない。
見学に行くとわかりますが、とにかく元気です。
会費高いですが、自分の扱う商材が高ければ元も取れそうではあります。
話を聞く限り非常に合理的なシステムで、実際利益になる会員がいるので世界最大規模のビジネスコミュニティになっているのだと思います。
さあ、どうしよう、毎週1日朝がきついけど、やるべきかやらないべきか。
戦略の1つと考えることはできる
保険や士業などの商材は、リファラルで広げていく手法が有効です。
起業したてで収入がないときにとる手段としてBNIへの参加は悪くはないように思います。
ネックになる部分は「週1で他の人の商材を売る時間」これがストレスになるかならないかという点でしょう。
(僕は「大きな声で挨拶しましょう!」っていうノリがちょっと無理だったので参加しませんでした)
一点、心しておくべきことはBNIでいくら活躍しても、企業としての実力にはならないということ。
BNIありきのビジネスモデルなんて魅力でもなんでもありません。
3、簡単に儲かる!? 1日数分で稼げる!? 経験も元手も必要なし?「情報商材」
SNSなどの広告に現れるおいしい話。
「1日数分の作業で大金持ちに!」
なんか簡単そう!簡単に大金持ちに!よし、俺もこの情報を購入して独立だ!
なんて考えてしまうあなたはいいカモです。
そんなうまい話はない
まず、そんなビジネスあったらブームになってます。
「誰も知らない情報」とか書いてあっても、webサイトがあって「誰も知らない情報」はないだろう。
矛盾だらけです。
バレバレの詐欺ですがこの情報商材ビジネスによって得るものもあります。
”手口が分かれば同じ方法で自分も真似できる。”
要するに情報商材ビジネスのノウハウがわかります。
自分と同じようなカモを探して、自分が食らった仕組みと同じビジネスモデルを作れば元を取れるのではないでしょうか。
まあ、軽蔑しますけどね。
4、勉強すれば絶対に成功する!?「高額ビジネスセミナー」
参加費馬鹿高いセミナー。
某社の未公開株が手に入りますとか、不動産投資、自己啓発系…
挙げればキリないんですが、30万くらいのものもあれば100万超えのセミナーもあります。
参加さえすれば元が取れる!?どうなんだ?
まず受講しないほうがいい
企業の勉強のために参加して、二束三文のくそ講義きいて元が取れる気配がまったくない。
結果、スタートで企業失敗。まあたまに聞く話です。
中でも士業の開業セミナーで高額なものを「ひよこ狩り」というらしいです。
そもそも起業したばかりの人はイニシャルコストを手堅く処理してなんぼです。
セミナーにはもちろんいいものもありますが、いいセミナーは基本的に適正価格です。
商工会や行政が主催のものだったりでなかなかコスパのいい勉強ができます。
もっとビジネスについて、勉強したいなら書籍がオススメです。
ブックオフで10000円分ビジネス書購入するのが一番コスパがいいかもしれません。
5、多額の報酬後払い!?「レベニューシェア」
サービスの開発にあたり「開発費用のリソースが今ないので、サービスが立ち上がって収益になってから支払わせてくれ」というようなケース。デザイナーやエンジニアに多い話です。サービスが立ち上がったら確実に資金調達できるので、そうしたら調達額のX割お支払いします。みたいな。
これは非常に悩むところ、だってそのサービス売れるかも。売れたら固定収入で収入安定化…
そいつきっと、ちゃんと資金調達できないよ
これに対しての対応は1択です。断りましょう。
ちゃんと資金調達できる人はリソースを確保した上で事に臨むし。売れるサービスはちゃんと王道の道筋をなぞります。
レベニューシェアでうまくいくケースもなくはありませんが、信頼関係がない状態でのそれは間違いなく泥沼化します。
似たようなケースで、1件タダで対応して、その品質が良かったら定期的に発注しますよとか言ってくる代理店もいます。
僕は汐留の某広告代理店に勤めている人から、持ちかけられたレベニュー案件で失敗しました。
ヒイヒイ言いながら無賃で作った挙句企画が立ち上がんなかった。話をふってきたディレクターはトンズラ。
「コバヤなんとか」という感じのやつ、まあ名前は伏せますが、あのヤラーまじ調子くれやがって。
汐留にもいいひとはいる、と思えるまでその後時間がかかりました。
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いかがでしたでしょうか?起業時に出会う「おいしい話」5つを解説しました。
個人的にはどれも手を出すべきではなく、自分のやりたいビジネスは自分で作っていくしかないという結論です。
「貧すれば鈍する」という言葉があります。要は余裕がないときは馬鹿になる、という意味なのですが、余裕がない時はこの手のおいしい話に流れがちです。でも冷静になってみてください。あなたのビジネスにおいてそこに時間と金を使う必要、本当にありますか?
どうしても早くホームランを打ちたい!
焦る気持ちはわかりますが、残念ながらホームランは地道なバッティング練習の果てに打てるようになるものです。
地道に確実にいくのが王道だと思います。