“ブランド”や”ブランディング”という言葉は日本語としてよく使われますが、それらの意味について、明確に理解している人はすくないのではないでしょうか?
“ブランディング”は事業戦略の方法論の1つです。
しかしこの理解は一筋縄に行かず、曖昧なニュアンスを孕むため、マーケティングを勉強した人でさえ混乱すしがちです。
今回はそんな「ブランド」の何かの概要を説明できたらと思います。
ブランディングの基本
ブランディングの概念を理解するためには、まず、こちらの製品やサービスが何であるかよく識る必要があります。
ブランディングの定義と役割を説明するために、次の例を見てみましょう。
水のブランディング
「水」はすべての人間に必須な資源です。
昔から、食品やサービスに比べ水を入手するのはそれほど難しくはありませんでした。
しかし、ある時からペットボトルのミネラルウォーターのように、製品として販売されるようになりました。
製品化しようがしまいが、どの企業が取り扱おうが水の見た目に大きい差はありません。基本的に透明な液体です。
いろいろな企業が水を販売していますが、どのように競合との差別化を図っているのでしょうか。
その答えに当たるものが「ブランディング」です。
一般的にブランドは以下のように説明できます。
ブランドとは、名前、言葉、デザイン、シンボル、または他の売り手の商品やサービスを他の売り手のものと区別するその他の機能
「この靴はとても軽い」というような実用的な方法、あるいは「この靴はスポーティでパワフル」というような感情的な方法などを用いて企業は製品やサービスのイメージを作ります。これは製品それ自体の物理的な特徴ではなく、消費者が会社またはその製品に向けて抱く気持ちの設計と言えるでしょう。名前、ロゴ、ビジュアルアイデンティティ、あるいは広報の手段によって、実用性と感情に呼びかけるのです。
市場において競合が製品やサービスをコピーするのは簡単です。ただし、ブランドは簡単に複製できません。
たとえば、ペプシとコカコーラの味は非常に似ていますが、それぞれがそれぞれのファンを獲得しています。
Evian、ペリエ、Fijiなどは、それぞれ水のブランドです。
これらのブランドは、それぞれの製品と異なるニュアンスを持っています。
– エビアンは「若さ」のイメージ
https://www.youtube.com/watch?time_continue=10&v=AU2Qej9yefw
– ペリエは爽やかな泡立ち、イベント向け
– フィジー水はピュアでオーガニック
水のブランディングからわかること
同じ水であってもこのようにブランドによって消費者に与えるイメージは変わります。
結局、ブランドとは特定の製品や会社について抱く人のフィーリングです。
人それぞれが自分なりのイメージを構築し、それによって人気が増減するのです。
ブランディングは、消費者の心にブランドを作り、形成することによって、特定の会社、製品、またはサービスに意味を与えるプロセスです。
これは、消費者が市場の中から企業や製品をすばやく特定し、競合よりも自社の製品を選択するサポートを行います。
そして、ブランドのイメージに沿った商品を提供することによって、顧客を引きつけ、リピートさせるのです。
ブランディングの効果
前述したように、ブランドは消費者に意思決定の基準を提供します。これは、複数の企業の製品の中からそれを選ぶショートカットのプロセスといいあらわすこともできます。
また、ブランドは、消費者が同様の製品を区別するだけでなく、企業の評判にも影響を与えます。
これは、消費者から従業員、投資家、株主、プロバイダー、および代理店まで、幅広い人々に影響を及ぼします。
例えば、そのブランドに気に入らない人はそのその会社で働きたいとは思わないでしょう。
しかし、ブランドにより、インスピレーションを提供できれば、応援したり働く意欲にもつながるでしょう。
どのようにブランディングを行うか?
企業は、ブランドを形成するために、さまざまなアプローチを用います。
例
・広告とコミュニケーション
・製品およびパッケージデザイン
・店内での経験
・価格設定
・スポンサーとパートナーシップ
ブランドといえば、まず思いつくのが視覚的アイデンティティ(ロゴ、ウェブサイト、色など)ですが、それ以外にも色々あります。
先の水の例では、パッケージデザインと広告は、おそらくマーケティング担当が使用する強力なアイテムです。
パッケージデザインは、商品が夥しく陳列される店内で消費者の注目を集めるという役割をもちます。
消費者に製品の特性を知らせ、競合との視覚的な区別をもたらします。
結局、ビジネスにおけるブランドとは何か?
ビジネスにおけるブランドは、販売する商品のイメージを指します。
ブランディングはそのイメージを作成する戦略と言えるでしょう。
なので、事業戦略に合わせてブランディング戦略は変わります。
あなたの売りたいものを確実に販売するために、ブランディングは重要なファクターと言えるでしょう。